2009年1月2日金曜日

08気仙この1年総集編

(東海新報 12月31日)

米国発金融危機に端を発した世界的な経済不況、燃油の乱高下、
北京五輪、福田首相の辞任と麻生政権誕生など、
国内外とも大きく揺れた平成20年。

気仙地方も合併をめぐる活発な論議、盛況の「海フェスタ」、
大船渡市民待望の文化会館完成、高校・小学校統合、
生活・産業基盤整備の進捗、二億円宝くじ殺人事件の発覚など、
激動の一年を閉じようとしている。
12カ月の主な出来事を拾った。(文中年齢は当時)

■1月
◇陰徳の士に贈る第35回東海社会文化賞を、
大船渡市の和裁講師・佐藤佐知子さん(70)

陸前高田市の米崎職工組合(菊池道男組合長)が受賞。

◇陸前高田市立博物館所蔵「陸前高田の漁撈用具」2045点が、
国の登録有形民俗文化財に登録決定。

◇五葉温泉の源泉を使った浴場が売り物のデイサービスセンター・
JAおおふなと指定通所介護事業所日頃市が、日頃市支所敷地内に開所。

◇大船渡市末崎町地内の難所解消のため、県が改良工事を進めていた
主要地方道・大船渡広田陸前高田線船河原工区が供用開始。

◇気仙の発展と可能性を探究するまちづくり講座「ケセンきらめき大学」が、
民間の有識者を中心に発足し、東海新報社内で入学式が行われた。

◇広田湾の磯焼け対策で、法人や企業などによる気仙産業研究機構が
人工藻礁「栄養素供給ユニット」
を沈設、実用化に大きく踏み出した。

◇大船渡魚市場の年間水揚げ実績が、主力魚種のサンマ、スルメイカが
豊漁で、前年比約7億円増の59億円に。

■2月
◇気仙三市町と県大船渡地方振興局、商工団体などで、
企業立地促進法に基づく「気仙地域産業活性化協議会」が発足。
重点的に企業立地を図るべき十区域を設定。

大船渡港の平成19年貿易実績が、国際コンテナ航路の開設効果で
昭和42年の開港以来最高の262億円を記録。

◇太平洋戦争中、硫黄島で戦死した陸前高田市高田町出身の
及川豊治さん(当時27)の遺品が、62年ぶりに遺族へ。

◇大船渡市への定住や季節移住を希望する人の相談や支援にあたる、
ふる里回帰大船渡支援センターが設立。

◇住田町上有住の滝観洞が、全国第10位の長さの3636メートルで
あることが、東京スペレオクラブなどの調査で分かった。

■3月
◇県立高校再編による統合で、大船渡農、大船渡工、広田水産の三高で
最後の卒業式が行われた。

◇国道283号仙人峠道路・滝観洞インターチェンジ(IC)が開通し、
住田町と釜石、遠野両市間のアクセス時間が短縮。

◇東北地方整備局が、広田湾沖に津波観測も可能なGPS波浪計を設置。

◇第39回全国高校バレーボール選手権大会初出場の大船渡女子が、
3回戦に進出。沖縄代表に0―2で敗れたものの、ベスト16入りの大健闘。

◇太平洋セメント(株)は、大船渡工場の原料石灰石の確保を目的に
上有住の袰下山周辺での新規鉱山の開発計画を発表。

◇世界遺産登録を目指す平泉の黄金文化を支えた、
陸前高田市竹駒町の玉山金山の歴史的価値を再認識し、
観光開発につなげようと遺跡活用推進協議会が発足。

■4月
気仙中・寺本沙也加さんが、気仙で初、県内で2人目の
「野依科学奨励賞」を受賞。広田湾の貝研究が評価。

◇統合された県立大船渡東高と住田町立有住小が開校。
県立高田高も再編で新しい歴史のスタートを切った。

◇県立住田病院が診療所化され、県立大船渡病院附属地域診療センターに。

◇危険業務従事者叙勲で、元大船渡地区消防組合消防監の
大畑信吾さん(71)が消防功労、元海上保安官の平山正昭さん(67)が
海上保安功労で瑞宝双光章、元大船渡地区消防組合消防司令の佐藤立さん(68)
が消防功労で瑞宝単光章を受章。

◇住田町が、情報過疎解消を目指す地域情報通信基盤整備事業の一環として
「住田テレビ」を開局。町内全世帯には光通信網を整備。

◇任期満了に伴う大船渡市議選(定数26)。
現職19人、新人5人、元職2人が当選。

◇春の褒章で、大船渡市の土地家屋調査士・菅原公男さん(78)と
陸前高田の農業・吉田信さん(77)が藍綬褒章を受章。

◇春の叙勲で、陸前高田市竹駒町の元民生・児童委員の中里繁男さん(87)が
社会福祉功労で瑞宝単光章を受章。

■5月
◇陸前高田市農協と合併した新しい大船渡市農協が船出。

◇陸前高田市民有志が、大船渡市との合併協議会設置を直接請求するため、
市内有権者50分の1以上の署名を目指して活動スタート。

県警の警備船、新「さんりく」が就航。
大船渡港の茶屋前岸壁に常駐して、漁業資源や安全確保へ。

◇大船渡市の菓子製造販売業・さいとう製菓(株)が、
「R&I中堅企業格付け」で最高位の「aaa」を取得
。全国でも3社のみという快挙。

◇全国新酒鑑評会で、陸前高田市の酔仙酒造(株)が出品した
純米大吟醸酒が、2年連続金賞を受賞。

◇陸前高田市で、携帯電話で市内の災害や雨量情報、防災無線の放送内容を
確認できる「土砂災害情報相互通報システム」を稼働。

■6月
◇県が「広域振興局体制整備の基本的な考え方」(素案)を公表。
22年に県北、沿岸、県央、県南の広域振興局体制に移行する方向性。

◇北里大学を運営する学校法人・北里研究所と大船渡市が、
人材育成連携や教育・文化・スポーツの振興などに関する連携協力協定書を締結。

◇大船渡市の北日本水産(株)が、ふ化養成した稚ナマコを
大船渡湾内と綾里湾内に初放流。気仙では初の試み。

◇陸前高田市内で、浜辺に打ち上げられた海藻を分解することから
“浜の掃除屋”と呼ばれる昆虫「ハマベゾウムシ」の生息が初確認。

◇千葉県犬吠埼沖で、福島県船籍の巻き網漁船が沈没し乗組員4人が死亡、
13人が行方不明。陸前高田市出身の男性乗組員2人が死亡、1人が不明。

■7月
◇陸前高田市内有志5人が、1400余人の有効署名を添え、
中里長門市長に対し、大船渡市との合併協議会設置を目指し直接請求。

◇気仙ともつながりの深い平泉の世界遺産登録が「延期」。

◇住田町世田米で野菜水耕栽培を手掛ける㈱AFGが業務を停止し、
自己破産の手続きを開始。

◇全国中学通信陸上県大会で、有住中の松田健豊選手が
男子共通800メートル、横田中の泉田比子選手が女子4種競技で優勝。
松田選手は、東北中学校陸上競技大会でも一位、全国大会に出場。

◇陸前高田市は、市内11地区で合併問題をテーマにした市政懇談会を開催。
総じて「当面単独市」を望む意見が目立った。

◇全国規模の海の祭典「海フェスタ」が、大船渡市を中心に沿岸5市町で開催。
記念式典には秋篠宮、同妃両殿下がご臨席。
9日間と協賛事業への入り込み数は約74万人

◇県沿岸北部を震源とする地震が発生し、大船渡市で震度5強の揺れ。
建物破損や店舗内の商品が散乱するなどの被害が出た。

■8月
◇気仙川のアユ漁は、豊富な水量と天候に恵まれたこともあり、
平成12年以来の豊漁。

◇原油価格の高騰により、気仙のガソリンスタンドでは1リットルの現金売り
平均価格が190円台まで上昇。

◇任期満了に伴う岩手海区漁業調整委員会の公選委員選挙(定数9)が
行われ、気仙からは佐々木戝氏(陸前高田市)と中嶋久吉氏(大船渡市)が当選。

◇陸前高田市の高田松原は、今夏の入り込み数は7万4147人。
昭和55年以降最低で、初めて10万人を切った。

◇住田町は、合併問題に関する住民懇談会を開き、
町民からは「当面自立」を望む意見が多く出された。

■9月
◇NHK盛岡放送局と県内民放4局は、大船渡から地上デジタル放送の
試験電波送信を始めた。

◇「全国レクリエーション大会inいわて」の特別協賛事業として、
大船渡市で卓球大会、住田町でクッブ大会が開かれた。

◇県は、20年度地価調査の結果を公表。
気仙の商業地と林地は、14年連続の下落。

◇大船渡市三陸町の大森邦男さん、非常に珍しい蝶「モンキアゲハ」の
写真撮影に県内で初めて成功。

■10月
◇白木沢桂元大船渡市長が77歳で死去。
昭和62年から2期8年間にわたり市政運営を担った。

◇県立大船渡高で、校舎落成と創立60周年記念式典、
県立住田高でも創立60周年記念式典を挙行。

◇二億円宝くじに当選していた女性(一関市出身)の遺体が、
陸前高田市米崎町内で発見、東京在住の新聞配達員の男(住田町出身)が
殺人容疑で逮捕。

◇大船渡市と陸前高田市の合併協議会設置議案が両市議会で審議され、
大船渡市は可決(賛成20、反対5)、陸前高田市議会では否決(賛成9、反対10)。

◇住田町上有住の民俗資料館内に、産金コーナーがオープン。
採金に使われた搗鉱機などを展示。

■11月
◇大震災発生に備え、気仙を含む三陸沿岸で陸上自衛隊東北方面隊が、
初の大規模対処訓練を実施。

◇大船渡市外への顧客流出と市内消費需要拡大に向け、
商工会議所による地域商品券事業がスタート。

◇「玉山金山」の歴史的価値を見直そうと、陸前高田市で初の金山サミットを開催

◇会計検査院の調査で、陸前高田市と住田町は一部不適切支出を公表。

◇大船渡市民待望の文化会館・市立図書館「リアスホール」がオープン。

◇大船渡市との合併協設置をめぐる直接請求手続きで、
陸前高田市長と有権者の住民投票申請がなく終了。

◇県は、県立病院や地域診療センターの減床と無床化を柱とする
「新経営計画案」を公表、住田などでは見直しを求める声。

◇住田町に新誘致企業。青果小売中堅の(株)九州屋と町が立地協定に調印。

■12月
◇「気仙は一つ、三首長会議」が開かれるも、合併スタンスで
“温度差”が改めて浮き彫りに。

◇大船渡市議会は、議員発あ議の気仙再生協議会設置案を賛成多数で可決。
陸前高田市議会も一票差(賛成10、反対9)で可決。

◇気仙三市町の有志議員が「気仙はひとつ議員協議会」を設立。

http://www.tohkaishimpo.com/

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