2008年6月8日日曜日

協同組合さんりくランバーと三陸木材高次加工協同組合が総会厳しい経営浮き彫り

(東海新報 5月31日)

住田町世田米の木工団地に工場を構える協同組合さんりくランバー
(曽根哲夫理事長)と三陸木材高次加工協同組合
(通称・三木=さんもく、佐々木英一理事長)は、定期総会を開き、
19年度決算や20年度事業計画について承認。

両事業体の経営危機が表面化した昨年度の決算は、
三木が約7億9500万円、ランバーが約2億4900万円の赤字。
両事業体は、町から巨額の融資を受けて再建に取り組んでおり、
新年度は一層のコスト削減などを図りながら軌道修正を図る。

ランバーの総会には、全組合員(九事業所・団体)が出席。
曽根理事長は、「町からの融資に至ったことを深謝するとともに、
配慮を重く受け止めたい。よい数字を出せるようになっており、
一日も早く健全経営できるよう努力する」。

19年度は、製造経費や管理費といったコスト度外視の生産などもあって
約2億4900万円の赤字決算となり、前期繰越を合わせた
約2億5000万円を繰り越した。
今年度の売り上げ目標は、4億4400万円で、
2千万円の利益確保を目指す。

三木の総会には、組合員の18事業所・団体の代表者のうち、
本人、委任合わせて15人が出席。
佐々木理事長は、「たいへん厳しい状況を報告せねばならず、
おわび申し上げたい。住田町の公金投入という事態を償う唯一の方法は
確かな再建であり、強く認識して取り組む」。

事業報告書によると、19年度は約13億9600万円の売上高、
7億9490万円の当期損失を計上。
前期からの繰越損失と合わせた8億0570万円を繰り越し。

今年度は、24時間操業も視野に入れながら製品歩留まり率向上や
徹底したコスト削減を図り、売り上げ目標は15億円で
6400万円の利益確保を目指す。

任期満了に伴う理事の改選も行われた。
経営危機表面化後、理事は辞任する予定だったが、9人中6人が留任。
「無報酬で再建に取り組み責任をまっとうしたい」。

両事業体は、昨年10月に経営危機が表面化し、
中川信夫総支配人(中川木材商事社長)をトップとする
新執行体制に経営権を移譲。
給与カットや歩留まり向上策などを踏まえた再建計画に取り組む。
中川総支配人が両事業体の今年度4、5月期の単月決算を報告。
4月は、三木が459万、ランバーが25万円、5月は三木が585万円、
ランバーが218万円の純利益を計上、
中川総支配人は、「今後も粉骨砕身努める」と決意。

三木の新理事は次の通り。任期2年。
▽理事=佐々木英一(陸前高田市森林組合)、
曽根哲夫(釜石地方森林組合)、熊谷進(住田町建設業協同組合)、
菊池良一(住田素材生産業協同組合)、金崎功(大槌製材協同組合)、
中川信夫(中川木材商事)、佐々木一彦(住田住宅産業)、
E木澤光毅(気仙地方森林組合)、鈴木忠四郎(鈴木建設)
▽監事=上田昭雄(釜石・大槌素材生産業協同組合)、
菅野勝郎(陸前高田製材業協同組合)

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